さざなみのように人が回収されていく

日を跨いだらしい。颯爽と年をまた一つとった。てんで一年の長さがよくわからない。昨日でさえ、はるか昔に感じられる。最近はレヴィナスを読んでいる。白川静を読んでいる。宮沢賢治を読んでいる。はい、自己紹介終わり。26歳の一年目は夜更かしから始まるみたい。

一ヶ月ぶりのブログ更新になるらしいが辞めたのではないかと勘繰っていたので、あることに驚き、見てみると文章の稚拙さに驚く。たった一ヶ月されど一ヶ月。何ヶ月にせよ過ぎ去ったものは稚拙である。編集を加えなければなお。

そう、近頃はプールで泳いでいる。身体がムキムキに、つまりムキってきている。世界中の女がおれを待っているとキキちゃんの前で言うと、キキちゃんは笑わず真剣に受け取る。

彼女の純真さは幼児のそれに劣らない。そんな彼女がノートを書き始めたので万年筆を贈った。セーラーの商品名を言っても仕方がないから言わないけど、軸がアイボリー、クリップ、ペン先が金のやつだ。14金なので柔らかくなるはず。

キキちゃんは結構いい文章を書くので、そのうち心もペン先みたいに軽くなるだろう。軽いのがいいのか重いのがいいのかわからないけど、天国も地獄もないこの世で十字架なんか担いでんと楽しい方へ歩んで言って欲しい。

ジャパンは労働やら忍耐やらが神話的なまでに高尚である。みんな十字架を担ぎ過ぎている。筋トレ程度で良くないか。すでにみんなムキムキやぞ。だからレジ中に座っていてもいいのだ。日本の接客は寒気がする。なにがおもてなしだ、このろくでなしども。あんなもん奴隷制とかわらんやないかい。日本の接客は天使みたいな人しかできないよ。されていても、していても居心地悪いの。不自然やねん、あれ。たとえば、させて頂きます。ってつまり客個人に対することばじゃのうてな、個人を客に還元しちゃって個を全体化させたうえで発してる言葉遣い。つまりさせて頂きますは個人間におけるコミュニケーションですらなく、むしろそれを徹底的に見えないようにする、個人を超えた社会御中。べつにその言葉遣いだけが腹立たしいわけでもないけどや。

社会御中以前に人間対人間なんだからさ、それぞれの尊厳くらい守ろうぜ。金渡してますやん!言うて無視できるものじゃないよ、尊厳は。人権じゃないぞ。法によって守られるべきものでもないぞ。法以前に人の顔がある。その顔は全体のさざめきには決して回収されないし、回収してはいけない。手を触ってみましょうよ。生身の人間ですよ。

レヴィナスを師と仰ぐ、ある学者がトークイベント中に全く人の話を聞こうとしない登壇者にぶちギレたことがあったらしい。登壇者はつまらなかったのだろう、すぐさま舞台を降りて壇上を後にした。後日、その学者は謝ったらしいがその登壇者はこう切り返した。

切腹ものですよ」

閑話休題

今日で20連勤を終えた。疲れた。9月からはしばらくニートになってしまう。身体の動かし内に貯えたいが、浪費癖がなおらない。寝るか、おやすみ