リサイクルショップで宝探し

リサイクルショップには夢がある。野暮用でリサイクルショップに寄ったのだが、とんでもないお宝と遭遇してしまった。

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『Sportclad』ウールハンティングジャケットが3千円で売られていた。正確な年代はわからないけど、おそらく40s〜50sだと思う。とんでもないお宝というわけでもないだろうが、とんでもないサプライズだった。 

実はリサイクルショップには様々な業者が仕入れにくる。田舎のリサイクルショップを回ってビンテージを回収する古着屋さんも中にはいたりするが、都市よりも地方の方が見つかりやすいからといって球数が沢山あるわけではない。 

昨今はインターネットの普及により、衣類の年代判別がより簡単に行えるようになった。それも相まって、大手のリサイクルショップなどは古着屋よりも少し安いくらいの値段でヴィンテージをさばいている店も多い。なのでインターネットを活用しているような個人経営のリサイクルショップでもビンテージにはある程度の値段がついている場合が多いだろう。 

さて、ネットで簡単にヴィンテージか否かを調べられるとは言っても、大まかなティーティールが必要である。例えば、チャンピオン等の有名ブランドだとか、ジッパーがタロンとか。逆を言えば、それ以外の調べようのないもの、調べるのに手間がかかるものは判別されない可能性が高い。 今回のハンティングも情報量はブランド名のタグのみで、ジッパーは1つと見当たらない。made in USAの表記も素材の表記もタグにはない。細かく見ればチンストや革の三角補強、ハンティングポケットがあるが、それだけの情報では年代判別に至るまでの確信的な判断素材にはなりにくい。というか、一般的な用語ではないので名称自体わからないかもしれない。 

もし、このジャケットがボタンではなくジッパーであったなら端金で買える金額ではなかっただろう。クラウンであれ、タロンであれ、調べれば年代別に詳しく記載されている。ジッパーだけで判別するのは正しいとは思えないが、だいたいの目安になるのは間違いない。 

生地の分厚さ、素晴らしさから年代やタグが不明でもジャケットが非常に優れたものだとわかるはずだが、何故この値段で売られていたのかわからない。店がコードに従いすぎていて、服としての本来の価値を見落としたのか、それともスタッフの粋な計らいだったのか。 

仮に前者だとすると、社会的な規範を愚直に信望することは本質を見落とすという結果を招く。断っておくが、ぼくはヴィンテージマニアでもなんでもない。気に入ったものの多くがヴィンテージだったということから色々と生半可な知識がついただけだ。 正直な話、ビンテージであるかどうか以前にこの服のディティールや状態を考慮すれば3千円という値段はつけない。

ぼくがリサイクルショップで働いていれば8,000円で売りたいところだが、サプライズを込めて6000円で売るだろう。古着屋で働いて入れば3倍くらいつけたい。東京の古着屋なら80倍でつけたい。サプライズの意味を込めて。 

でも、思うのだ。あ、この服3千円でいいやと思えてしまう感性が育まれている以上は、一概に手の込んだ服=高値が本質ではいけないのだ。値段をつけた人は潜在的に社会のニーズも考えたろう。一部の人の中には手の込んだ服が高くあるべきだと思う人もいる、それだけではないか。服なんて好みである。しかしながら、だからこそコードに従属したくないとぼくは思う。 

記号的な意味でランボルギーニを欲したことは一度もない。記号的な意味でビンテージを欲したことは一度もない。だから、服が好きとかいいながら記号に従属して服を着るやつが嫌いである。 

正直な話、服なんてコミュニケーションの障害にならない程度で構わないし、なんでもいいって人には、これはお宝でもなんでもない。これはぼくの個人的な宝である。というか、宝なのかこれは。完全に違うとは言い切れない。しかし、これはぼくの弱さの一部であると言ってもおかしくない。