免許合宿へ行く普通じゃない人へ


免許合宿、辛いですね。ここまで自分は何もできないのかと思う日々が続きます。みんなが普通に取れるはずの免許でさえ自分は取れないのだと考えてしまうと、自分だけポツンとはみ出ているような気がして心が暗くなります。


『普通は取れる免許』と言われる普通免許ですが、普通じゃなかったらどうなんねんとお困りの方もたくさんると思います。よっぽどの情熱、みんな取ってるからという後ろ盾がない人は特に苦しむと思います。例外にもれず、ぼくもそういう人間なので苦労しました。でも、取りました。なので普通じゃない人用に合宿の攻略方法を紹介したいと思います。


①全体的な工程を頭に入れる。

合宿の期間は約二週間あります。初めの一週間で仮免まで。残りの一週間で卒検まで。というのが大体の工程です。


②仮免まで(学科)

仮免は実技試験と筆記試験どちらも受からなくてはいけません。ほとんどの合宿では、MUSASHIというウェブ試験が導入されています。その試験に最低一回は合格しなければ仮免は受けられません。


MUSASHIに関して

一日に二度受験することが可能かと思いますので、毎日受けましょう。MUSASHIの問題数は6題しかないので、三日間立て続けに受けると、四日目には一周して、初日と同じ問題を受験することができます。間違えた箇所をしっかりとチェックし、復習すれば簡単に取れるので、なるべく毎日受けるようにした方が後々楽になります。ただ初めの方は何が何だか分からないかと思いますので慣れるためと割り切って受けてください。


勉強方法

卒検にしても筆記試験にしても要領は同じです。間違えたところを見直す。これに尽きます。初めの方は未だ習っていない学科が沢山あるので、難しく感じるでしょう。ただ習っていない学科があるからと言って、勉強を後回しにするのは後々辛くなります。

ただ初めの三日間は学科で習ったところを復習し、わからないところを徹底的に噛み砕いていきます。短期間勝負なので予習もできれば言うことなしです。予習と言っても教科書を軽く読むだけでいいと思います。習う前に読む、習ってから復習する。最低、ひとつの教科に三回ずつ時間を費やすので覚えやすくなっています。イメージとしては土を耕して、種を蒔き、育てるという感じでしょうか。


教科書と一緒に配布される模擬テスト集は問題数も限られているので、四日目以降の使用が効果的だと思います。四日目になると学科もほとんど終わっている状態になっているので、こんなん知らんという問題がかなり減っていると思います。知らない問題ばかり解いていると気分がめげますし、勘で模擬を解いてしまう羽目になるのので限りのあるテキストが勿体ない。


模擬テストでの勉強

ここでのポイントは間違ったところだけではなく、迷った所もしっかりとチェックを入れて教本を読み直すことです。運は信用しないでください。少しでも迷ったらチェックして、間違ったところと同じように見直す。習っていないところであってもアバウトでいいので見直してみましょう。


座学についてはこれを二週間続けます。勉強時間はだいたい二時間くらいでしょうか。二週間ずっとこんな生活するのもしんどいと思うので根を詰め過ぎず適度に力を抜きましょう。


③仮免まで(実技)

個人的には勉強よりもこれが大変でした。座学はやれば伸びますし、やる時間も自分で自由に決められますが、実技は仮免段階だと一日二時間しか受講できません。その二時間の間に運転のエッセンスを抽出できるわけがない。運転は慣れだと言われますが、慣れには個人差があります。ぼくは三日目にして既に実技を二つ落としました。挙げ句の果てには自転車に乗ったことある?と教官に聞かれるレベルでした。


まず念頭に

車の法定速度は60kmです。馬もだいたいこれくらいのスピードで走るようですが、考えてみてください。馬に乗れる人間は当時で言えばビップです。お偉いさんです。一般庶民は俄然徒歩です。車が普及してまだ百年も経っていないんです。そんな簡単にスピードに慣れるわけがありません。汽車にしろ人間とスピードの歴史は始まったばかりですし、そんなに親和性もない。今でこそ当たり前にスピードのある乗り物に当たり前に乗ってますが、まだ出来立てほやほやの文明です。それに生身の人間が速度60kmで走れるわけがない。なので法定速度と言えども、運転となれば未知の世界に変貌します。

何が言いたいかと言うと、簡単にスピード慣れする方がおかしいのではないかということ。みたいな感じで開き直ってください。


動作を身体に叩き込む

運転するにあたって右よし左よし後方よし等の声出し確認は必須事項です。

また仮免段階での操縦は発進、一時停止、進路変更、右折、左折に集約され、そのそれぞれに行うべき確認があります。

これらを実技中にさっと覚えてしまう人もいれば、何かしなければいけないという強迫観念に頭を真っ白にさせてしまう人もいます。


ぼくは後者でした。なので、ぼくは自転車をレンタルして練習しました。指示キーのタイミング、戻すタイミング、確認などを手順通りにシュミレーションしました。やってくうちに情けなくなってくるのですが、そのうち出来るようになるので堪えてやってみてください。


コースの覚え方

方向音痴なのでとても苦労しました。ぼくのところは初級コース、上級コースと二つとも覚えなくてはいけなかったので大変でした。同じサーキットをぐるぐる回るので何周回っているのかわからなくなります。ただ覚えようとする内に基礎能力がついて、覚えられるようになります。コース全てを頭に入れる必要はありませんが、全て覚える気で覚えた方が実技の際に役立ちます。


予めコースのマップが配布されると思いますので、サーキットだけ簡単に写します。簡単に写したあと、コースを書きます。すると、曲がる必要ないやんここと思っていたところがなぜここで曲がらなくてはいけないのか理解できるようになります。例えば一週目で障害物を避けた後に、S時クランクに行かなくてはいけないからここを右折する必要があるといった風に、謎だらけだった地図が明快になっていきます。

ぼくは10回くらい書いたと思います。2、3回コースを写して、何もみずにコースを書く。コースを覚えてきたら先ほどの確認事項等をおさらいしながらペンを進めました。


④仮免取得後

仮免取得後は、特にコースを覚える必要はありませんので、格段に仮免より楽になります。学科の方は以前と変わらないペースで大丈夫です。


総括すると、免許は仮免までがとくに大変です。卒検前も苦痛ではありますが仮免よりまだマシです。これはすごく個人的な意見になりますが、免許を取得したところで、免許に対する熱い思いがなければ充実感も何も生まれないとおもいます。苦労した人ほど取得したときの達成感はひとしおであるとかよく言われますけど、ぼくは別に嬉しくとも何ともありませんでした。まあそれも人によるでしょう。ぼくは合宿を経験したことによって、普通とは何か考えさせられるキッカケになりました。