バッドボーイ純子

趣味がローラーブレードだったなおきは先生の葬式にもローラーブレードを履いてきた。かと思えば、けんちゃんは竹馬で、早苗は一輪車。金持ちだったポポランスキーはやっぱりロールスロイス(笑)

キャロット先生もたいへんなクラスメイトを持ったものだ。キャロット先生はよくよしこちゃんのお母さんと墓で密会してたっけ。そこをたまたまキックボード野球をしていたヘーゼル君に発見。ヘーゼル君は風呂屋の息子で番台さんだったから、近所の悪ガキに言いふらして街は大変なことになった。

そのとき、ヘーゼル君は35歳、うちらは10歳。ヘーゼル君はキックベースカトリックでいつも本気になっていた。ケンイチとは喧嘩仲間みたいなもので、ケンイチが顔面セーフなんて言い出したときには、いきなり蝉を食べ出して海老の味がするなんて言うからみんなおかしくて、ヘーゼル君を異教徒とみなしていたのだった。

十二月のチャーチのとき、フランスから届いたサンタクロースの焼き討ち映像を見てテンションのあがったうちらはベースボールカトリックのときにポポランスキーロールスロイスをスライスしてイタリアのシチリアでお世話になったらしいコリオーネへ送ったのだ。

そしたらマッチョサランダムがかんかん(笑)プレイボールのことをプレイボーイなんて言うから、これだからシチリアの奴はってハドソンズベイがチャーリーチャップリンみたいなこと言い出してそっから大カトリック勃発。みんな死ぬ気で竹箒持ってきて噂のクディッチ。楽にしてやるよと西武の菊池雄星

ワッツソースティンキーアバウリッ?とかアレックスが言い出して、ジミーズとまたしっちゃかめっちゃかの大カトリック。でも、最後はシンギンインザレイン歌いながらドゥビドゥーってわけ。笑

このときもなおきはローラーブレードでブランコ乗ったりわりと自由なふりしながら、ヤマザキパンの春のパン祭りについてあつく語ってた。バッドボーイのロンT来て、靴は俊足だったバッドボーイ純子は武満徹のことをたけちみつるって呼んでた。他にもレッドホットチキンとか言ってたな。

うちらは徒党を組んでたから、集合するときは梅田かもしくは三田集合。基本的には軽車両で現地集合。ハルキはまだ新生児だっからおかんにおぶられレディゴー。たまにハルキとニケで来るシュウゴ。息切れするおかんを見てみんな非難轟々。

交通ルールなんて無視しまくりだから早苗は一輪車でトラック煽るわ、トモキは十字架担いでバイパス超えて来るわ、でもう大変。そんなことばっかで、キャロット先生も鬱になったみたい。小学校六年生なのに未だに馬に干し草やる授業で単位取れないやつばっかりだったから、校長からの圧力が半端なかったみたい。結局、バッドボーイ純子が干し草とキャロット先生間違えて馬に食わせたみたいでキャロット先生ジ・エンド。今に至る、佐々木中みたいなかんじ。

訃報を聞いたうちらは次の日から、もっと真面目にやろうって話あった。純子はバッドボーイの服は全て捨てるって言ってたし、キャリーパミュパミュはヤスタカから卒業するって、アレックスももうタイツ履かないって、ヘーゼル君はメジャーリーグでプレーしたいって。マイケルも親父の敵討ちはやめるって、シチリアにもいかないって。早苗はラップやめるって。ヨシキもドラム壊さないって。なおきは春のパン祭りにはもう参加しないって。

で、おれ思ったんだけど、なおきに関してはおまえの治すところそこじゃねえよ!と思った。でも、なおき泣きながらローラーブレード乗ってたし言えなかった。案の定、葬式の日はみんな、いつものままだった。おれがご焼香するときにはご焼香がなくなってた。みんなバカだから食っちまったのかもしれない。だから、おれはマジ一休ばりのトンチをきかせて、十字架を切った。

帰り道、早苗は一輪車に跨って般若心経を唱えながら帰っていった。バッドボーイ純子はこの世界の教育制度について問題を感じたらしい。今夜はキャロット先生と同じところで眠りたいなんて言うもんだから、そっとしておいたけど。

まあ、みんな変わらないな。またいつか、蹴鞠しようなあ、拓哉。