目下労働


働かなくてはいけない。働いて宝くじを買ってと。宝くじが当たったら辞める。で、何をするか。何もしない。何もせずに生きたいのだが、家賃やら保険やら。生活に追われる。なぜ生活に追われなければいけないのか。困る。払う必要はない。払わない生き方もある。そのエネルギーがない。お湯から上がる気がない。お湯の中で、どうすればいいのか考えている。


働く、その概念を開発することはできない。ぼくには。物書きでは食えないだろう。食うために書けないだろう。食事や排泄と同じように、ぼくは書く。くだらないブログも。閃光のような詩も。また孔を拡げる詩も。詩は垢みたいものなのだろうか。生活の香りがする。


小説を読む。どうしてこんなに書けるのだろうと思う。素晴らしい小説とは別の小説の話をしている。あんなくだらない時代小説を長々と書き続けられる作家はすごい。ともあれ、それを読む人もすごい。あの間に一体なにが生まれているのだろう。


300ページなんてものすごい熱量だ。普通は書けない。それをあんな文で埋め尽くすなんて信じられない。ちょうどブログみたいな感じだろうか。いや、思念を散らして書くなんて誰でもできるのだ。一つの物語を織っているのだ、本の場合は。どんな本であれ。

まあどうでもいいか。


頑張らずに生きたいものだ。人に何かを求めない。人を変えようとも思わない。社会は人それぞれ炸裂している。ぼくも変わろうと思わない。勝手に変わっていく人について何も思わない。


いまある生活がおかしなものであれ、ぼくはここにいる。らしい。それについてとやかく言わないし、言いたい。ここにいながらその世界を助長したくない。これはわがままなのだろうか。

いま、ここからではダメなのだろうか。染まるしかないのだろうか。染まる?言葉がおかしいか。一般的な良識の揺りかごに揺られながら、なるべくお前らと絶縁しながら進む方法がないか。おまえ、そう、おまえだ。昆虫殺しのクソ野郎。ブラジルから回ってきた肉が国産よりも安いのに違和感のないおまえたちと。おれはおまえたちの世界にいながら、どうやっておまえたちと一緒に暮らしながら絶縁していくか。おれはここにいたいのだ、小声で。で、おれはおまえらが嫌いなのだ、大声で。おれは暮らすここに、おまえらと同じように。別の仕方で。


おれには翼がある。車の免許のことだ。ここから離れた自分の声が聞こえる、何通りか。目下きまった、労働のお通りだ。修行という言葉が嫌いだが、いまは修行中だ。