カートコバーン

ぶりったニコちゃんを平気な顔で着てる奴が嫌いである。なぜだろう。知らないバンドのTシャツを着てても別に構わないし、メタリカのTシャツをメタリカというブランドと勘違いしてる人がいるのも楽しげでいい。

でも、ぶりったニコちゃん着てる人だけは個人的にめちゃくちゃ嫌いなのである。ほんとうに個人的な問題である。

今や、ぶりったニコちゃん自体に反骨の要素はない。歴史を紐解けば、ニコニコスマイルのニコちゃんにマリファナかヘロインかを吸わせてヘロヘロにさせたという反骨の歴史はあるが、それをたてに今の消費や態度についてとやかく言いたいわけではない。

あのTシャツが普遍性をまさにスマイリーのように獲得したこと、反骨の要素だけ刳り抜かれ消費されていること、それがただただ腹立たしく感じる。ほんとうに個人的な問題だ。

カートが商業的に利用されてるとかをたてにして何か言うつもりもない。カート自身も多少なりとそれを望み、しかしながら、その欲望と身体のバランスを保てなかった。

カートは化け物みたいな集団と闘っていたのだ。もちろん、その集団にはカートもいる。ぼくはその集団がとても嫌いだ。終始、闘う以外に道はないと考えている。

話を戻す。結果的にぶりったスマイリーは惨敗した。化け物たちに絡めとられ骨抜きにされた。でも、ニルヴァーナという言葉がトップに掲げてあるから、もしかするとだれかはユーチューブで再生するかもしれない。しかし、そんなケチな可能性なんて塵となれと願う自分もいる