2018-01-03 師走の詩 ある世界の情景 今夜、毛皮を纏えぬ者が 毛皮を纏い 歌えぬ声で 聖歌を歌う 最も愚かな 者が 愚かな唄を 夕べ、今朝もがれた腕が 独り泣き始める 身体の垢を詰めながら 蕾をひらく そんな夕べ 侍る 苔を擦り落とす ヤカラの唄が 海へ ながれる 黄昏 プールの冷たさ 凍て 水面に 串ざす カラスの嘴 鳩 来たる 公園へ 獣を放つ