種は実らないかもしれない
実らないこともあるのだ
実って欲しいとも望まない
勝手に実ればいいし、勝手にやめればいい
別に実っていう名前をつけたところで
生が実るとは限らない
肚のなかで死ぬこともあるだろう
車に轢かれて死ぬこともあるだろう
そもそも実という名を付けないこともあるだろう
ぐらぐらと揺れる橋を渡っている
落ちるかもしれない 落ちないかもしれない そもそも橋を渡っていないのかもしれない
もしかすると橋を揺すっているのかもしれない
もしかするとそんな橋ないのかもしれない
種は実るか それは必然か 必然のように見えるのは志向性のせいか
偶然か必然かなど現実においては関係がない ありふれた当たり前でない奇跡の石よ
種を蒔いた 収穫する気などはない
勝手に育てばいい
そもそも実るとはなにが実るのか
霜の花か 食えるものか 夢か
それよりも その花を見れるとでも