聖なるかな

アレンギンズバーグの吠える脚注。

聖なるかな聖なるかな聖なるかなきみのあそこは聖なるかな

聖なるかな聖なるかな聖なるかな路上のホームレスは聖なるかな

吠える脚注が賛美歌のように聞こえる。あまりにも平等であまりにも優しい。あらゆる名詞たちを世界から捥いで空へ放つ。『聖なるかな』は掌だ。名詞が音になる美しさ、自由さと自由になりきれないから出る切なさと。音楽だ。

聖なるかな』は問いでもある。きみは聖なるかな。あの子は聖なるかな。祈りでもあるかもしれない。誰に聞いているのだろうか。ひつこいくらいのリフレインを繰りながら、誰に聞いているのだろう。

ギンズバーグを読んでいると切ない気持ちになるのはなぜだろう。