鳥の声は泣ける

鳥の声は泣ける

それは 遠いむかしのことを思い出させる

だれかが鳥に託した想いを 

わたしは鳥の声に聞く

鶏鳴 朝を告げる

わたしなら スズメで事足りる

ちゅんちゅんと わたしは思う

死に死に転がった 夜を越えて

わたしはここへ来た

四畳半に拡がった シミは深い池

わたしの声は跨ぐだろうか

たとえ どんなものになっても

鳥に想いを託さない わたしは

はるかなことを考える

はるか過ぎて わたしの手から巣立つ

ヤクザな季節とその節目を 節目ごとに思い出して また春がやってくる