生きてるのを彼女のせいにしてる

野垂れ死なぬこと、をいいことに

彼女のせいにしてる

死なないことを彼女のせいにしてる

死ねないと言う

死なないと言う

だれかのせいにして生きる

卑怯な生

死はもっぱら原っぱにある穴

この生は

どうして生きてきたの

生活の話 世界について

どのようにしての口語表現

アホウ散る桜 真っ向から マッコウクジラ

丸い絶望のお手玉は危ない黄色

ふんころがしの屁っぴに宿る危機

ヒト種の胸のふくらみ

その柔らかさに用がある

死ねば屍 おれの知ったことじゃない

ジャックロンドの焚き火

知ってるか

死んでもいいのではないか

比率的に死者のほうが多い

彼女のせいにして

生きている

自死のない世界を彼女のせいにして

生きてる 生きている

生きることの雪辱を

コクトーの雪玉に隠された石

ウールジャケットの左胸に雪の跡

圧倒的な事実

死んだ また一人死んだ ビルから死んだ 電車で 死んだ この街で 死んだ 死んだ 群れの一人が死んだ 死んだ 死んだ

死んだ 死んだ また一人死んだ 死んだ 死んだ 群れだ 群れが◯した 走りすぎだ 死んだ 死んだ 奴は死んだんだ 奴の顔は知らない 死んだんだ 死んだ 死んだ おまえは顔を赤らめ怒り始める 死んだ 死んだ 一人が死んだ この街のものが、死んだ 同じ道を歩いただろうものが死んだ 死んで遅延だ どれも事実だ おれもおまえも電車に乗った それも事実だ

死んだ 一人が死んだ そいつの世界が消えた 消えた 消えた 世界が 消えた 正直で素直な 世界が死んだ 死んだ 死んだんだ 怒った怒ったおっさんが怒鳴った 『死体なんてとっとっとと片付けろ!おれの時間をどうしてくれる!遅刻だ!』

それは事実だ 圧倒的な事実だ 血塗れの電車に乗るお前の顔は真っ赤に燃えている

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは やがて 野を超えるか それは 塊か それは

いつの日か 野を超えるか それは

いつ もうすでに超えたか

超えたがこそ わすれたか

いついつだ それぞれだ 稀に見る 多々しばしば いつ超えるか それは だれかそれは だれが超えるか だれが漏れるか おれは漏れるか 溶液から漏れる希ガスか カスか 咲くのはハスか かいているのはマスか ダスター頭から落ちる粉雪 アサウザンドオブスノウはいつ止む 常闇 テラスきみのこえ を見つめる

野を超えるかそれは いつか 野を超えるかそれは 塊か それは塊か いつ野を超える いつか 野を越えるか それは 夢か 野さえも幻想か それでも いつ野を超えるか それは塊か おれはどこだ 野を超えるか それはいつ超えるか 夢でも超えるか なあ 超えるか きっと超えるか いつか いつか 超えるか でも それはいつだ いつのことだ あと何度夜を超える 忘れるか それさえ 忘れるのか なあ いつ超えるか いつ超えるか いつであれば 超える 超える 水たまりにつかったまま このくそったれの生をいつ超えるか なあ 超えるのか このくそったれの生を このくそったれの、どうしようもない生を なあ いつ超える いつ超えるくそったれ くそったれくそったれ くそったれ くそったれ このこのこの無力を 誰の仕業だ 花粉症は だれの生だ これは

憧れ

憧れ

お金があってよかった!

詩集を一冊買う金があって、

ほんとうによかった!

金が払えてよかった!

金という発明があってよかった!

お金万歳!

法律以前の犯罪を隠蔽できる

マネー万歳!

よかった、財布に野口英世が三昧

金がなかったら

ああ、ああ、金がなかったら

ああぼくはなにを払うはめになっていたのか!

こんなキチガイ詩への対価なんて

あるわけないのだから

ああ金があってよかった!

支払い最高!しないぜ親孝行!

どぶどぶ払い続けて刻みつけるのだ

この腐った身体に、油をぶちまけて

言葉を踊らせるのさ、

うわズベリさせるのさ、

明朝体の尻穴に麻薬をぶち込んでやって

氵と烈が殴り合いをはじめる

亠がぶっ飛んで口から 人がぶっ飛び

あえなく、草冠で首を吊る

これが四次元 ああグリューオン

ライトオンスのグローブから中綿が飛び散る ス

パームが飛び散り そらに無数のスパーク

爆発は秩序へかえるが あまりにも不純なものを抱えすぎた この一片は

永遠に爆発し続け、いま、きみの掌を焦がす

膣る

膣る

ぼくらは膣のうえに生きる

膣のうえ、あたたかい子宮へ至るまで

膣のうえで。

膣のうえで殺し合い、慰め合い

子宮へ至るまでの道のり

生まれてこなければよかった

そうか、そうなるか、わたしもそう思う

子宮から生み落とされた我々か

歌おう膣のうた、子宮でなく、膣について

膣のうえで殺し合おう

憧れの子宮を忘れて

膣について、

荒涼とした膣について

霜咲く膣について

膣歩き、虫殺し、草食み、パンツ喰らい、膣かぶり

それくらい

膣としての我々と

膣に立つ我々の

嗚呼、膣なる啼き声

膣を打ち、膣を噛み、膣ろう

歌おう 膣のうた

膣bornぼくらが膣るなら〜

膣りたまえ

笑える胎がえりみたいな儀式

子宮が言う

おかえりチンポ

ぼくらは膣のうえに生きる

チンポ濡らし 枕濡らし

顔射するのは人間だけらしい

おまわりのチンポへし折り

膣へ沈める まるで茎のように

さあ殺し合おう

子宮から戴いた片道切符

さあ、膣のうえで

蒼い世界

蒼い世界

夜を凌いだ 河川敷 毛糸の靴下 はぐっしょりぬれた 足の汗 月がきえかける 半顔を浮かべて 薄らぐ笑う霊と化した月 生きれた 眠りから覚めた 世界は蒼かった

蒼い世界

蒼い世界

蒼い世界

死んだ木 死んだ草 生きる木 生きる草 のうえに 霜の華 美しさのあまりに 身体がないた 夜と朝にぶら下がっていたのは おれだけではないか人間は みんな死んでいたのではないか おれだけが 息を吐いて 吸って おれだけが霜のうえをあくがった みんな死んでいた みんないなかった

蒼い世界

蒼い世界

蒼い世界

おれだけが 瞬間の王たる おれだけが 河川敷のうえで 恨めしい月にさようならを告げ おれだけが 緋を 待っていたのでないか おれだけが望んでいたのではないか 夜の完全なる終わりを おれは川の向こうをながめた 来るか来るかと祈った どうせ来る緋を 待った 一秒でもはやく 来るように 来たるものを祈った 待った 緋がきた そらがゆるし色に覆われた おれの身体は泣いた 日の光があたたかくて それが知らない人の顔を 照らしているのだと カーテンの隙間から忍んで 照らしているのだと思うと泪がでた 王は霜とともにきえる

売春帝国

今日も元気に売春だ

楽しい楽しい売春だ

楽しいから忘れちまうんだ

エリートもプアも売春者

売春者のカースト制度

-売春者のくせに 一丁前に-

嘘つきだらけ まだらめ模様のホアだらけ

この世界は大売春帝国

売ったら買うんだ 売ったら買うんだ

ばかみたいに売ったら買うんだ

この世界の人間は

2日に一回の歯軋りと2日に一回、その口で笑う。笑った口で歯軋りして、歯軋りした口で笑うのだ。

どうしようもない どうしようもないホアたちの群れにいる

シオランも売春者の一味だ

おおお、大杉栄ェェエエイイイ

楽しい売春が売春を忘れさせるんだ

つまらん売春が人間を狂わせるんだ

おおおお、大杉栄エェエエエエイイイ

売春者が貴族面して笑ってらあ

買いますか春を 買ってくださいよ春を

売ってください春を 売ってください春を

ださい春だ おれの春だ おれのおれのまぎれもない、このおれの春を 買うか 900円だ お前らに春がみえるか 冬が口をパクパクさせて待ってるぞ 社会のガーゼがなくなったら 枯れ枝のような身体にゃ応えるぜ 詩を一行やるから身体を包みな 死んじまえ