学ぶな

 

女がひとりで転んでひとりで笑って立ち上がる。その様を見て、この女は誰に向かって笑っているのかと不思議に思う。自省的に笑っているのである、誰を欺いているわけでもない。恥ずかしいということだ。恥ずかしさを笑みで誤魔化す醜さが女の顔に張りついている。その弱弱しさたるや、よくぞその年まで生きてこれたと手を叩いてやりたいほどである。このような光景は日本のあちこちに腐るほどある。愛想笑いという、私は格下であると高らかに宣言するような笑いもある。煩わしいこと天井知らず、私の怒りはマッハのごとく青天を貫き雷となって私の精神を打つ。失望である。また些細なことを指摘され傷つき、笑っている者もいる。傷ついているのに笑っているのだ、なんだお前は。人生において、今まで誰にも精神を蹂躙されず育ったお前の清らかそうで不純なプライドに唾を吐きたい。傲慢である、些細なことで金切り声になるような雑魚の申し子と同罪である。なんの罪か、よくぞその年まで生きてこれた罪だ。刑事罰ではない。しかし罪だ、罪であることに変わりない、罰なき罪だ。

このような未熟な者どもを是正する気はない。彼らの人生は是正せずとも豊かだろう。どこにでもありふれた豊かさを手にし、幸せを手に入れるだろう。それもまた真だ。決して振り返らないことだ。それだけが条件だ。生涯毒物にあたらず死ぬことができるだろう、本能的に聡いひとよ