Entries from 2023-01-01 to 1 year

無心で食らうひとたち

無心で牛丼をかっ食らう姿が目につく、住宅街の吉野家。この辺は単身赴任者ではなくファミリー層が多いから、おそらく「ほな、外で飯食うて帰るわ」とサラリーマンたちが仕事の終わり、腹を満たすためだけに立ち寄っている。身内がいようが挨拶を交わさない…

鳴き声

何かしらが鳴いている声が聞こえて用水路へ屈みこんだ。ライトでぐるっと照らすも、何もいない。風も吹いていないのに草がそよいでいるだけだった。用水路を満たすほど、さきほどの雨は降らなかったらしい。急に雷を伴って雨粒が天井を叩いたのは19時ごろだ…

学ぶな

女がひとりで転んでひとりで笑って立ち上がる。その様を見て、この女は誰に向かって笑っているのかと不思議に思う。自省的に笑っているのである、誰を欺いているわけでもない。恥ずかしいということだ。恥ずかしさを笑みで誤魔化す醜さが女の顔に張りついて…

日本現代クソ噺

アニメを観続けているとアニメ以外観たくないが、少し我慢してドキュメンタリーを観ればドキュメンタリー以外観たくなくなる。またアニメに関しても同じような毛色を望み、ドキュメンタリーにしろ同じような系統が観たい。これは多分、自分特有のものではな…

紫陽花のたばこ

怒りへの賛同 -便乗して怒ることへの疾しさのない、まるでそれが自己発生した雷のごとく鳴り響かせる者もある。私の怒りは私のものであり、あなたの怒りはあなたのものだ。重なっても風雨すら立たない- 森道から戻って数日経ち、身体もようやっと平衡を取り…