Entries from 2018-01-01 to 1 month

想い断つ

あらゆるものがここへ来る。 想いを断つ、だれかの思い出が染みついたものを手離す。銭が理由か、ゴミか、おわりへ向けて歩むのか。わたしは払う人。想いを払い、銭という呪具を利用して、人間とものとの繋がりを断絶せしめるもの。いともかんたんに。 泪を…

匂い

香ばしい あまりに 手にしたコロンは手に余る ものでした香りが 心に染みつくのでしたはなをさすたび 蜂のごとく思い出すのでした香りが、香りが、香りがまとまりをもたらすのでしたある瞬間を束で届けるのでした不意打ち されたように竦むわたしがいるので…

語りえぬもの

一昨日か。それより前か、チャリでアメ村へ行ったのだが、どこへチャリを止めたのかさっぱり思い出せなかった。よくあることなのだが、御堂筋沿いなだけに苦労した。交差点のどちら側へ止めたのかも定かではなかった。しばらく歩き、信号で止まりというのを…

払いたい病

久しぶりにかつての友達と飲みに行くこととなった。奇跡的に予定が合った。飲み会で五千円減るとする、五千円でなにができるかを考えてしまう。 まずキキちゃんとランチできるだろうし、何か買ってあげられるだろう。この飲みにそれだけの価値があるのだろう…

NZ 第1章 ブレンナム

ブレンナムでヒーコとビールを飲んでいた。ヒーコは二十歳かそこらなのに老けて見えた。夜の街はただただ冷え、ひたすらに寒かった。なのに外でビールを飲んでいた。夜の広場で仕事の愚痴を言い合った。ヒーコは一週間後にクビにされるかもしれないと笑って…

ほしぼし 煌り

ほしぼし ひかり ぼちぼち 終わり 月なき夜 鳴く 星のまたたき チカチカ ドン チカチカ ドン チカチカ ドン あれはなんの星か あかく 煌る あの星は あれは星か 星ではないのか 月なき夜 またたく 星鳴く チカチカ ドン チカチカ ドン チカチカ ドン 焚き火…

元旦の詩

クソ癖になるこの味 おれ 食らう イノシシの脚 リブに噛みつく 歯茎の赤さ 童貞のように 野蛮でピュア クソ癖になるこの味 涎降らし 雨舞わす風と 踊るピュシス 吹き出す 千の帳 揺りかごから墓場まで 地鳴り クライシス 空走る 雷 掌の皺 刻み クソ垂らし …

師走の詩

ある世界の情景 今夜、毛皮を纏えぬ者が 毛皮を纏い 歌えぬ声で 聖歌を歌う 最も愚かな 者が 愚かな唄を 夕べ、今朝もがれた腕が 独り泣き始める 身体の垢を詰めながら 蕾をひらく そんな夕べ 侍る 苔を擦り落とす ヤカラの唄が 海へ ながれる 黄昏 プールの…

われはかみなり

我は神なり われは雷。あまりにも恣意的な規則により、2018年を迎えさせられる羽目となった。神社へ行けば御神籤をひく。賽銭やらを入れることはないが、お邪魔しますとは言う。森へ行っても、人の家へ行っても猫の住処へ行ってもお邪魔しますとぼくは言う。…