Entries from 2022-05-01 to 1 month

片割れは

あたしは巫女だから、ほらと女は言って多色なワンピースを己で指差し、何者でもない虹色を着てるンだと言いつかさる。そのダサい、ワンピースを見ながらへえと呟き、間髪入れずになるほどと応えた。女にはオーラが見えるらしい。握手を交わせば、身体に宿る…

本を読んでいてもやはり間に何かをしている。もっぱら集中しているとき、電車の中では特段すんなりとりして落ち着いてはいるが、やはり家にいるときはスルメを摘んだり、身体を掻いたり、タバコを吸ったり、気になるモノが頭に浮かんで調べていたり、風呂に…

現在

自分が世界をどう見ていたか、という言葉は正確さを欠く。自分が世界をどう感じていたか、それが今、なんとなく思い出されてきた。私は怒りで目が眩み、身体が凝っていた。思えば歩くことが苦痛以外のなにものでもなくなっていたから、散歩することさえやめ…

青森巡礼

人の寿命が七万歳のときに初代仏陀は生まれたらしい。棟方志功の版画を見ていた。それよりも壁4面に展示されていた4枚の絵画、シャガール。内、1枚がとても気に入って眺めいった。絵は背丈の高いイネ科の植物が金色に輝く畑、魚が頭を覗かせてその隣にカマ。…