Entries from 2017-07-01 to 1 month

けりとか使いたい

時が鉛のように重い。一日がどうしようもなく軽く、どうしようもなく重い。短針と長針の間に挟まれて、秒針の音せせこましく心臓のように脈打ちぬ。時は鳩時計のごとく、丁度を祝い、また狂ったように忘れけり。古文は苦手だった。高校一年生のおりに挫折し…

わたしの祖先はパパランギ

わたしの祖先はパパランギ おまえの祖先は何者か 絵の具が何重にも重なって土のような色になっていた。絵の中央部にチョークの落書きのような顔が書かれいたような気もするし、輪郭だけが浮かんでいたような気もする。しっかりと憶えていそうなのはわたしの…

灰汁の抜けた文字

ここに書くということは少なからずキーボードを打った、もしくは打っているわけだ。ウェブでは文字が勝手に設定した字体に変化し、本来それぞれである文字が均されている。それぞれのとはつまり、紙に手で書いた文字ということである。実際にウェブ上の明朝…