何かしらが鳴いている声が聞こえて用水路へ屈みこんだ。ライトでぐるっと照らすも、何もいない。風も吹いていないのに草がそよいでいるだけだった。用水路を満たすほど、さきほどの雨は降らなかったらしい。急に雷を伴って雨粒が天井を叩いたのは19時ごろだ…
女がひとりで転んでひとりで笑って立ち上がる。その様を見て、この女は誰に向かって笑っているのかと不思議に思う。自省的に笑っているのである、誰を欺いているわけでもない。恥ずかしいということだ。恥ずかしさを笑みで誤魔化す醜さが女の顔に張りついて…
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