Entries from 2019-04-01 to 1 month

おれたちヒューマンビーイング

折り畳み自転車とノースフェイスのバックパックを背負って高校へ行っていた。当時クソほど馬鹿にされたのを憶えている。なんでそんな服着るのかと訊かれ、鮫みたいでかっこいいからだと答えると、みんながおかしいと思ってんねんから、その格好おかしいねん…

重ね歌

電車。帰りの電車でグッタリしていると、前の座席から歌声が起こった。よく聞くと男が新垣結衣のヘブンリーデイズを歌っている。目を閉じている。唇がてりてりしている。不意に笑ってしまった。男と目が重なった。でも、笑いが止まらない。なぜおれはヘブン…

おもろい人

店長にもらった本を未だ読んでいない。経営とかマーケティングについての本だ。その正しさに帰依するのは危険なような気がして、読めずにいる。本を読むことは怖いことだ。あくまで一つの見解を読むだけであると理解はしているが、読むとはセックスでいうと…

へリングの生

キースへリングへの嫉妬が募る。まず写真を見てもらいたい。 天才ですね、へリングは。私はずっと壁になりたかった。街へ擬態したかったし、擬態としてのファッションをカモフラを超える形で実現したかった。が、このへリングの写真を見て、私の中に猛烈な嫉…

その、ことば

「闘いつづける限り負けないのだ」キキちゃんは、ぼくの言葉を憶えていた。ぼくは忘れていた。エネルギーに満ちていた自分を思い出した。こうも隔たったところに、今がある。忘れていた。でも、キキちゃんはぼくの言葉をずっと忘れずに何かと闘いつづけてい…

ぼくは詩人ではなかった笑

詩人ではないことに気がついて肩の力が抜けた。前々からおかしいなあと思ってたんやけど、おれの詩は詩じゃない。では何かと言うとツェランとかベケットとかドゥルーズとかの言葉を頭に浮かべながら自分の経験情報を整理してたので、いわばただのノートであ…

整然と矛盾する潔さ

タイトルの如く素晴らしかった。カルチャーが渾々と湧いては死にアスファルトの上から立ち上る靄は夢のようにアトラクティブで開放的だった。大阪とは異次元の場所だった。そもそも比較対象ではなかったという感慨が街を歩く度に、ひしひしと感じられた。人…

新幹線に乗る!

人生で初めて新幹線の指定席に乗る。バスかヒッチハイクでしか旅行したことないから、未知の領域である。一年ほど前、イシヤクがこんなことを言っていた。「バスは疲れる。新幹線は出た時と同じ状態で別の場所へいけるのでとてもよい」 バスは疲れる。大阪か…

死に至らない病

昔はね、人間を解放しようと思ってたんですよね、ずいぶんと大義ですけど。今は、それを思わないですね。迷惑という概念がありますけど、この迷惑という言葉に非常に迷惑している人間がおりますわな、その人間のためにも頑張ろうと思ってたんです。でも、今…

令和を知らない者

とても大きな共通の記号が発表されたとき、わたしはアメ村の三角公園前の、いつも、つまらい広告を垂れ流しているヴィジョンの前にいた。黒でバッチリ決めた黒ずくめの集団と、未だ青い子供たちは新元号の発表を待っている。知らない頭がたくさん公園に、知…