震えるのだろう

地面は震えるのだろう

人間は震えるのだろう

蛙は震えるのだろう

落ち葉が震えないということなどないのだろう

風がなくだろう

水面は涙の一条で

肌を2つに割く その間に流れる涙は境界線 ゆらぐ境界線

その虹のような不確かなものをきみは信じすぎた

震えるのだ 身体が

きみはどうだ

ジェンダレスでセンスレスでセックスレスな曖昧な 生きた心地とは遠く隔たったところに おれの身体はある

火事場泥棒の如く 大胆に

猫の跳躍する背骨のようにしなやかに

おれはうまれた

脱臼した子宮から その何億年の歴史の体積が3000gの赤児の魂だった

半分に折りたたまれた白目を開け

目は黒点とともに 燃え始めた

パ行の誕生

ラジオから不意に流れたメロディが

身体を揺らした。知っている。あの頃のように揺れている。メロディとともに身体が揺れている、かつてのように。音とタンゴを踊る、タッタカタタタ。80パーセントの水分から成る、この身体が音楽と化す。流れる泪は故郷を灯し、形なく堕ちる、汗とともに、タンゴ、タッタカタタタ。ああ舞っている、あのときのように!

知っている!知っている!思い出している!タッタカタタタ。思い出を作っている!散る断片をクモの糸で紡いでいる。一つにまとまらず、音が轟々と止まない。契り。波との契りが切れるまで、指が千切れても踊りな。血飛沫で真っ赤に染まったから!ほら、ボアラ!知らない音が身体をながれ、指がフロアを這いずり、乳首がミラーボールをぶっ飛ばす。頭は吹っ飛び、身体が限界を超える。あのタコのように躍ってるのがきみの身体!ケツ穴に指をつっこみ、膝で拍を打つ、ペニスを軸にメリーゴーランド。全身生殖器。ウィルス、空気を犯す。タカタカタカマカマ、タカタカタカタカタカマカマ、ガス爆発!ボアラ!ボアラ!唇が破裂音を放つなら、きみはパッ!ごとに弾ける心臓の鼓動のように。パッパッパッパッパンッ!音に熱され蒸発。ポッポコッポッポッポコポッポッポッポポポランスキー!それだ、きみの名はポポポポランスキー!それがエコーのように鳴る、足る。熊猟るコサック、ラッセル、タッセル鳴らす、ませるガキ殺す。エッフェル塔濡らす、東京タワー濡らす、首から味噌垂らす。蟻にあげる、喰らえ、蛆虫。この身体!

ポッポコッポッポッポコポッポコッポッポッポコポポップコーン!

エルメスのジャンボチョーカーをここまで野卑にする俺の名前はポポポポポポポランスキー。最近、セルフタイマーで写真を撮る技法を見つけたが、見てほしい。なんてことだ!太陽の下で写真がとりたい!太陽がだいすきだ!ゴールデンウィークバルカン半島まで時速5万マイルでマクドナルドヘ行くつもりだ!ドライブスルーじゃないドライブブローだ!つまりバルカン半島へ行く途中でグーテンベルクの高級住宅街に住む寝返りした赤子たちをもう一度うつ伏せにしてそう、チャチャイモッコス!嗚呼、チャチャイイモッコス・スロベテーター・イワノビッチ・マッシロン!俺は人差し指を向けて嬉しそう。それは音速で壁に頭を打ちつけた比嘉愛未みたいな鉄道だ!友よ!3:33分、1分後にはもうバルカン半島を南南南南へ悪戯な風だ。ベードーベンよ、その輪の中にゲーテを入れてやれ、去れ!おまえは去れ!ああ蚊と蠅の間を時速5万マイルでぶっ飛ぶるおれは現在星時間4:44分 おれの名は星野星一、星生まれ星育ちの星一 星の貴公子!つまりおれが星で時速5万マイルで移動する数学用語でいうところの点Pだ!休日になんばで下車するヘタレどもと平日に淀屋橋で下車するヘタレどもの間を時速5万マイルでぶっ飛ぶる俺の名前はポポポポポポランスキー。バブルの破裂音とともに生まれたパ行内の重鎮、略して点P、正式名称星野星一肩書きは比嘉愛未みたいな鉄道だ。カウパーみたいなエーテルみたい血飛沫みたいなTカードみたいなゲルマニウムチタンみたいなチツカンジタみたいなゴウダマシッダールタッみたいな歯茎がキラウエアを噴火させるみたいなチャチャイモッコス・スッパニターター・イージースージー!会いたかったよ!

生きてるのを彼女のせいにしてる

野垂れ死なぬこと、をいいことに

彼女のせいにしてる

死なないことを彼女のせいにしてる

死ねないと言う

死なないと言う

だれかのせいにして生きる

卑怯な生

死はもっぱら原っぱにある穴

この生は

どうして生きてきたの

生活の話 世界について

どのようにしての口語表現

アホウ散る桜 真っ向から マッコウクジラ

丸い絶望のお手玉は危ない黄色

ふんころがしの屁っぴに宿る危機

ヒト種の胸のふくらみ

その柔らかさに用がある

死ねば屍 おれの知ったことじゃない

ジャックロンドの焚き火

知ってるか

死んでもいいのではないか

比率的に死者のほうが多い

彼女のせいにして

生きている

自死のない世界を彼女のせいにして

生きてる 生きている

生きることの雪辱を

コクトーの雪玉に隠された石

ウールジャケットの左胸に雪の跡

圧倒的な事実

死んだ また一人死んだ ビルから死んだ 電車で 死んだ この街で 死んだ 死んだ 群れの一人が死んだ 死んだ 死んだ

死んだ 死んだ また一人死んだ 死んだ 死んだ 群れだ 群れが◯した 走りすぎだ 死んだ 死んだ 奴は死んだんだ 奴の顔は知らない 死んだんだ 死んだ 死んだ おまえは顔を赤らめ怒り始める 死んだ 死んだ 一人が死んだ この街のものが、死んだ 同じ道を歩いただろうものが死んだ 死んで遅延だ どれも事実だ おれもおまえも電車に乗った それも事実だ

死んだ 一人が死んだ そいつの世界が消えた 消えた 消えた 世界が 消えた 正直で素直な 世界が死んだ 死んだ 死んだんだ 怒った怒ったおっさんが怒鳴った 『死体なんてとっとっとと片付けろ!おれの時間をどうしてくれる!遅刻だ!』

それは事実だ 圧倒的な事実だ 血塗れの電車に乗るお前の顔は真っ赤に燃えている

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは

野を超えるか それは 塊か それは やがて 野を超えるか それは 塊か それは

いつの日か 野を超えるか それは

いつ もうすでに超えたか

超えたがこそ わすれたか

いついつだ それぞれだ 稀に見る 多々しばしば いつ超えるか それは だれかそれは だれが超えるか だれが漏れるか おれは漏れるか 溶液から漏れる希ガスか カスか 咲くのはハスか かいているのはマスか ダスター頭から落ちる粉雪 アサウザンドオブスノウはいつ止む 常闇 テラスきみのこえ を見つめる

野を超えるかそれは いつか 野を超えるかそれは 塊か それは塊か いつ野を超える いつか 野を越えるか それは 夢か 野さえも幻想か それでも いつ野を超えるか それは塊か おれはどこだ 野を超えるか それはいつ超えるか 夢でも超えるか なあ 超えるか きっと超えるか いつか いつか 超えるか でも それはいつだ いつのことだ あと何度夜を超える 忘れるか それさえ 忘れるのか なあ いつ超えるか いつ超えるか いつであれば 超える 超える 水たまりにつかったまま このくそったれの生をいつ超えるか なあ 超えるのか このくそったれの生を このくそったれの、どうしようもない生を なあ いつ超える いつ超えるくそったれ くそったれくそったれ くそったれ くそったれ このこのこの無力を 誰の仕業だ 花粉症は だれの生だ これは

憧れ

憧れ

お金があってよかった!

詩集を一冊買う金があって、

ほんとうによかった!

金が払えてよかった!

金という発明があってよかった!

お金万歳!

法律以前の犯罪を隠蔽できる

マネー万歳!

よかった、財布に野口英世が三昧

金がなかったら

ああ、ああ、金がなかったら

ああぼくはなにを払うはめになっていたのか!

こんなキチガイ詩への対価なんて

あるわけないのだから

ああ金があってよかった!

支払い最高!しないぜ親孝行!

どぶどぶ払い続けて刻みつけるのだ

この腐った身体に、油をぶちまけて

言葉を踊らせるのさ、

うわズベリさせるのさ、

明朝体の尻穴に麻薬をぶち込んでやって

氵と烈が殴り合いをはじめる

亠がぶっ飛んで口から 人がぶっ飛び

あえなく、草冠で首を吊る

これが四次元 ああグリューオン

ライトオンスのグローブから中綿が飛び散る ス

パームが飛び散り そらに無数のスパーク

爆発は秩序へかえるが あまりにも不純なものを抱えすぎた この一片は

永遠に爆発し続け、いま、きみの掌を焦がす