震えるのだろう

地面は震えるのだろう

人間は震えるのだろう

蛙は震えるのだろう

落ち葉が震えないということなどないのだろう

風がなくだろう

水面は涙の一条で

肌を2つに割く その間に流れる涙は境界線 ゆらぐ境界線

その虹のような不確かなものをきみは信じすぎた

震えるのだ 身体が

きみはどうだ

ジェンダレスでセンスレスでセックスレスな曖昧な 生きた心地とは遠く隔たったところに おれの身体はある

火事場泥棒の如く 大胆に

猫の跳躍する背骨のようにしなやかに

おれはうまれた

脱臼した子宮から その何億年の歴史の体積が3000gの赤児の魂だった

半分に折りたたまれた白目を開け

目は黒点とともに 燃え始めた