寝ぼけていたのだろうか。祇園で夜を明かして帰ってきた折、とんでもなく青い空をみた。青すぎるあまり怖くなった。清廉とした空から爆弾は落ちてくるものだ、と突然考えていた。過去に、こんな空から爆弾が落とされたような、気がした。鳥肌が立ち、涙ぐんだ。

被爆した体験なんてあるはずがない。ぼくが生まれた年からこの地で戦争が起こった試しなどないのに。