談笑

髪を切ってもらった。切ってる方と切られてる方が、髪型について爆笑する。「ダサいな〜」と言い合う。おもろい関係だ。スタイルを一緒に作っているような感じがある。とは言えど、ぼくに要望はなく、ひたすらツトムさんがハサミとかを動かしている。

今回はニューウェーブカジュアルズとなった。スタイリングの際は、寝癖もなおさず適当にワックスを塗ってバランスとかも気にせず、車に轢かれたようにトップを潰してサイドだけを立たせてもいいし、全部を逆立ててもいい。何してもいいし、何もしなくてもいい。本当に危うい髪型でギリギリアウト。言ってしまえば、ワックスをつけたことない子供がワックスをつけて、やっちゃったみたいな髪型。下手であれば、下手であるほど、この髪型はおもしろくなる。ただ傍目からは、戸惑いしか生まれないカオス。かっこいいのか、ダサいのかという二項対立すを無視して、ミスを最大限に引き出すヘアスタイル。

もはやどのルールにも当てはまらないヘアスタイル。というか、これがスタイルなのかと揺さぶりすら食らせるスタイルである。それでもジャンル分けをするなら、同類項は薄らハゲ、若ハゲ、十円ハゲとかそっちに与するだろう。

今、そのヘアスタイルで街を歩いている。ガラス越しに映る自分、ぼくを見る他人の目などを見ながら、イギリスの80sのガチャついてるカルチャーの犇きをヘアで再現してるような感覚がある。あの年代のどのジャンルにいける。すげえな、と髪を弄りながら思う。イギリスって適当な国じゃないですか?靴下もちんばに履くようなさ、髪型もどこで分け目作んねんみたいな。ファッションも多分、興味ないというか、オーソドックスで柄を好まない。色んなカルチャーあるけど、アイテムがすげえシンプルなんだよな。