狂った体液

稼いだ金を服に注ぎ込むことで呼吸をし、でもその呼吸は喘ぐように浅い気体の交換。身体の毒素は少しずつ、溜まっていき鬱血する。力は緩まない、力む赤い顔で。ぶくぶくと肥える欲望はただ末広がりに、私を手招きし、満足の代わりにお手軽な快楽を掌に置く。それを飴玉のように加えても綿菓子のように消えていく、口の中で、それはどんな味だったのか考え再現して、同じようなものを口に入れてみると愚かな甘味料の味がする。そこには何もないと知りながら、キリを揉むことも叶わぬまま土から1cm浮いたアクリル板に手を叩く。ただ視野を真下からスライドさせて、深呼吸をすれば下を見ていただけだということにきづき、アクリル板にも割れ目や穴があってそこが抜け道であることを見てとると、安心してまた窒息へ向かう。窒息して、安らいで、残暑は厳しい。流れる体液はアクリル板に落ちて私はその体液を見て写真を撮り、拭き取る。そうこうしてる内にまた夢を忘れて現実に磔。踊らないリアリズムのなかで江戸切子のプリズムを見る