立春の瓜破霊園

立春、思い立って母親の墓場に参る。またまだ冷えるが、心なしか冬の底を超えたような心地がする。師走を跨ぐと正月、正月は真冬だ。で、今、立春。なんとなく春の予感がする。正月から春を待つ間、その数ヶ月、年が明けてもまだ陽気さのない期間の、茫漠な時間。立春という語を知らなければ、耐えれたもんじゃない。旧正月はいいね、春の予感がある。冬の底の正月よりも華やいだ気持ちになる。

母親の墓のある寺が閉まっていた。オープンスペースの大きな霊園の真ん中にある大きな道を歩く。大きな木が見えた。めちゃくちゃ大きい木蕪で土色の蔦が外皮の殆どを覆っている。家の近所にも、いわくつきのでかい木があって、車道のコンクリを盛り上げている。そいつは頭の方までふさふさしているのに、遠くに見てる木は幹がばっさり切断されていた。

近くまで行って見上げた。木じゃなくて人工物だった。woodと名付けた。