Entries from 2018-01-01 to 1 year

この肌色は 未だ擬態を知らない

未だという未来が曖昧模糊ともこもことあの雲のようにと揶揄されようが 未だの安心が空の証左 ほら 未だだ その時は未だだ 未だ知らない 未だだれも知らない おれが見えないのではないか という疑を伏するきみの手 まだ見えぬ顔について まだ続くであろう、…

あの幸せな人間から黄色の花束を奪い 火に焚べたのはぼくです ぼくことイムチョンサです 殺してください ぼくです ぼくの名前を剥ぎ取ってください パードレ マーマレードとパードレの違いはなんでしょうか 目下 真っ赤に照るあのアカい目は月でしょうか 藻…

社会とタンゴ

おれがタップすると怒り出す 社会の歪なリズムにおれはおれなりに合わせて踊る 社会がナイフをさしてくる おれはスパッスパッとかわして金的 おれの脚は空を舞うまるで 土竜の拳が空を泳ぐように そんな奴とタンゴしてるんだ 怒りん坊な真面目で誠意のない奴…

アレ

いじわるな 梅雨が降って クーラーに涼む 夜を 渡って冷えた 冷えた朝がくるまでの あいだ わたしは わたしは 夢へ去る もしまた ひと時 だれかと恋をしても あなたを想い だれかを想い 白昼夢の犯行が功を奏して 網タイツをかぶって強盗に成功する でも そ…

こっちを見るな

ある者は揺れとともに自動販売機を壊した ある者は揺れとともに見ず知らずの女を抱いた ある者はタクシーに乗り込み ある者は悲哀に満ちた目で指示を待つ ある者は泣いた ある者は怒ったと、 ある者の皮膚はひび割れ ある者は瓦礫の下敷き ある者は、、、 余…

暗い塵

塵ひかる 星の如く もしくはフケのように散る いろいろ色々 華々しく汚いおまえのフケが夜を超えるや 甲斐甲斐しい独居老人の読経 爽やかたる朝の清廉を壊して回る 呑み屋がえりのゲロ 清々しい鳩の鳴き声と 愛おしい雀の集会 もしくは 逢瀬 コンクリート 身…

ゆらぎ

誰も聴こえないのをいいことに 雨脚がのっけから音を奪うんだ -音を叩きつける!- 雨は鼓笛隊 幽霊も歌いだす でもだれも気づきやしない 気づかないことをいいことに 奴らも歌ってる 雨は解放する 生も死も劇物 雨のなかで天使と出会う 雨のなかで祝福される…

ベッドタウンの不良たち

やさぐれた人 生活保護受給者 無精髭とフケにまみれた ベッドタウンの不良たち 金髪のモヒカン ぴっちりしたTシャツとデニム はみ出たグッチに彩られた ベッドタウンの不良たち ベッドタウンの不良たち 咆哮しずまる床へ沈む 旧車會のエンジン音が 眠る住宅 …

居心地の悪い六人家族

ここはファミレスだろうか。二脚の長椅子に三人ずつ腰掛けている、奇妙な人たちはおそらく家族か。彼らは順番を待っていた。六人は居心地が悪そうに天井を見つめたり、目をキョロキョロさせたり、口をもごつかせたりして居心地の悪さを噛み砕いている様子だ…

もはや

おれはびっくりする。なぜか。おまえらよ、酢漬けの心臓どもよ。おれはもはや接着剤を持たない。文と文の裂け目に横たわる鈍感なおまんこで吸引力の唯一変わらないことをいいことに幅を効かせるダイソンみたいなもんだ。人の頭に生えているペニスを根こそぎ…

ネオスパ・住之江

ー配水管が詰まったらしい。部屋の下で水漏れがあるようだ。朝からおっちゃんたちがベランダのコンクリをはつっているー 友人からの誘いで、旅行へ行くこととなった。行き先も告げられず、ぼくは彼の後ろをついていった。夜に出かけるのはなんだかワクワクす…

釣り人と魚とサーファーとダイバー。インスタグラムにおける考察

以前、インスタグラムで釣りをした。露骨な罠だった。真っ白の画像にハッシュタグをつけただけの、ごく簡単な投稿。獲物は簡単に釣れた。彼らは獲物であると同時に釣り人でもあった。だれも写真なんて見ていない。記号にいいねが重ねられるだけのとんでもな…

海はあおく、空もあおく

‪久しぶりに自宅へ帰ると自分の部屋が大きく感じた。家の裏には昔ながらの中華そば‬屋、もんじゃ焼き屋、ひとけの少ない何かしらの食べ物屋さんがあった。入り口から店を覗くと、あいだみつおの詩が貼ってあったので入るのを辞めた。 裏の店でチャーハンを頬…

箕面へ行った。なんていいところだろう。住んでる所から一時間もかからなかった。 阪急電車はほんとうに良心だ。京阪電車も見習ってほしい。地下鉄もそうだ、JRも。ぼくは京阪沿線が嫌いだ。阪急の宝塚線は懐かしくてたまらない。エイジングされた臭いがある…

「海を泳いでたの。綺麗な海だった。海はずっと深くってね、わたしは海を、その底にある街、神殿、それに弁天町もあったのよ。周りには同級生がいっぱいいてね。ぐるぐるとエイが泳いでいるのよ。エイと一緒に泳いだの。おおきなエイだった。お日様の光を背…

幻の展覧会

展覧会を主催したことがある。1日だけだけど、給料のほとんどを使ったのだ。なぜ展覧会をしたのだろうか。動機はよくわからない。それに自分のためにしたわけじゃないのだ。友人のためにやった。ために?わからない。 何か報われなかったのを覚えてる。何か…

手段としてのファッション

コラージュしているとき、完成させたくないなとよく思う。マグネットみたいに付け替えできたらいいなあとか考えるが、作った以上は形がほしいので完成させてしまう。 コラージュしていると、とんでもない物語が生まれる。位置を変えれば、その物語に拍車がか…

他人のことなのにうれしい。他人だからこそ嬉しいのかもしれない。好きな人は他人でしかないのだから。占いの話をしようと思う。むかし、ちょくちょく色んな占いへ行っていた。幼いときから女と溺死が頭から離れなかった。後年になってから、犬というのも頭…

瞬間の王

あれはなんて匂いなんだろう。リステリンってなんなのだろう。アルコールの匂いは大好きやけど、リステリンの匂いはあんまり好きじゃない。そういや、リステリンは口をくちゅくちゅするやつか。まあいいやあの匂いはあんまり好きじゃないのだ。ぼくはもうダ…

カヌー

もうぼくはわりと仕事のことなんかどうでもよい気がしているのだ。またあのひもじい生活するのは嫌だし、金ない金ないつって燥ぐのも嫌だし、いろいろと仕事やめるにあたって嫌なことがたくさんあるのだけど、ぼくのなかに明確に色づき初めてる夢は湖の畔で…

うしろめたい起床

移動が決まった。二連休を頂いた。今はその2日目に差し掛かる。昨日はとても楽しかった。ひさしぶりに昼過ぎに起きた。うしろめたい。曇りのせいもあるかもしれない。春の冷たい風がベランダから吹いている。風が冷たい。数日前にお客さんから頂いたリンゴ…

堆積を彷徨う

サッカー部には童貞しかいなかった。ぼくを含め、新入生はみんな童貞だった。童貞でないほうが珍しかった。サッカー部は童貞の集合体だった。よくよく考えてみると、新入生のほとんどは童貞だったのではないか。入学して間もなく、友達が友達をカラオケで食…

ベケットと四季

春への期待をあっさりと千切る、この風のつめたさ。短い春だったような気がする。また春が来るらしいが、ゴドーを待ちながら、もしもあれを劇で見ていたら同じような気分になったかもしれない『また冬か』 四季の移ろいはながああああい。仮にでも終わっては…

日出ずる迄

あの感覚を始めて味わったのは、エロ本の無人販売機へ行ったときだった。朝とも夜とも言えない中途半端な時間帯で、夜にしては蒼が冴えて、朝にしては蒼が鈍い四時ごろ。おれ以外の人間は死んでいるのではないか、と思ってしまうくらい世界はひっそりとして…

治療

オンカカピソワカ! 泣いて謝りたい媚を奥歯で潰す。その粒が虫歯へ堕ちる、即ち怒り。魔がさす アマガサス アマデウス アマテラス どうしようもない ろくでもない 今生だけでは尽きぬ怒りが おれの脳を圧死 つまり月を真っ赤に染め上げるこの声が 吠える 魔…

そして朝

夜、よく眠った。ぐうぐう眠った。そして朝、起きた。まだ朝だ。希望がある。何をする予定なのか。まだ知らない。予定はある。脚に張りがある。 昨日はキキちゃんと焼き鳥を食べに行きました。とてもおいしかったです。刺身がおいしかったです。やっぱり刺身…

飲み会が終わったのが、一時くらいになるのか。あまりにも家に帰りたくて吹田からキックボードで西成まで帰ってきた。朝を迎える時にはゆっくりとしていたかった。家に着いたのは4時半くらいだったか。雑誌つち式の原稿を書きたかったというのもある。4時半…

想い断つ

あらゆるものがここへ来る。 想いを断つ、だれかの思い出が染みついたものを手離す。銭が理由か、ゴミか、おわりへ向けて歩むのか。わたしは払う人。想いを払い、銭という呪具を利用して、人間とものとの繋がりを断絶せしめるもの。いともかんたんに。 泪を…

匂い

香ばしい あまりに 手にしたコロンは手に余る ものでした香りが 心に染みつくのでしたはなをさすたび 蜂のごとく思い出すのでした香りが、香りが、香りがまとまりをもたらすのでしたある瞬間を束で届けるのでした不意打ち されたように竦むわたしがいるので…

語りえぬもの

一昨日か。それより前か、チャリでアメ村へ行ったのだが、どこへチャリを止めたのかさっぱり思い出せなかった。よくあることなのだが、御堂筋沿いなだけに苦労した。交差点のどちら側へ止めたのかも定かではなかった。しばらく歩き、信号で止まりというのを…