暗い塵

塵ひかる 星の如く もしくはフケのように散る いろいろ色々 華々しく汚いおまえのフケが夜を超えるや 甲斐甲斐しい独居老人の読経 爽やかたる朝の清廉を壊して回る 呑み屋がえりのゲロ 清々しい鳩の鳴き声と 愛おしい雀の集会 もしくは 逢瀬 コンクリート 身体をくの字に 顔をへばらせ それでも朝の光は 残酷なほど美しく 夜のボケた馬喰の涙は 露になって そのうち噓みたいに白々しい昼間が 恐怖の昼下がりが 灼熱の日照りが あの夜と朝との 可憐な適温を ジャングルへと送り込む 汗水滴り カンカンカント軽やかに ステンレスの足場を駆ける音ともに 夜の落とし穴に引っかかった死が 口を開けて待っている 今夜 パードレに唾を吐く 夜の勢いにまかせて 聖女をおかす 夜の高揚にまかせて ドロドロにとけた おれとおまえの輪郭 そして 朝 十字架を切った おまえの手から おれが離切される