Entries from 2019-01-01 to 1 year

さっき見たもの 前に見たもの 剥がして 深くへ自己 おれの宇宙 無垢ではないと知りながら 混血の子と話す 言葉すべてに阻まれながら 記憶を辿る 記憶に阻まれながら 遺してどうなるのだろう このキチガイが おれの部屋は世界 どこへ向かおうが世界 自閉的内…

聖なるかな、我々は

リサイクルショップに勤務してから、日本のお客様大国っぷりをまざまざと見せつけられている。 千円で売った商品に不備があって、五万円分割引させられたり、胸ぐらを掴まれて海行くぞと外に連れ出されたり、商品を転売してクレームがでれば店にブチギレてく…

四季に狂って 四六時中 蝉時雨 春から秋のグラデーションは 色情に狂った人間どもの生 終わった 終わった 黒に溶けたモード 四季を喪失した我々の制服 毛皮を喪った終焉の黒 墓場より涼しい部屋から 滝のように汗が流れた 我々の四畳半には何者もおらず 我々…

決めること

そもそも決めることはあり得ないことだ。あり得ないことのなかで、あり得ないことを捨て、あり得ないことを行う。決断は狂気ありき、相手は無限だ。存分に狂いたまえ。狂いまくっても可笑しなことじゃない。狂え

寝ぼけていたのだろうか。祇園で夜を明かして帰ってきた折、とんでもなく青い空をみた。青すぎるあまり怖くなった。清廉とした空から爆弾は落ちてくるものだ、と突然考えていた。過去に、こんな空から爆弾が落とされたような、気がした。鳥肌が立ち、涙ぐん…

服を買わないようにしている。ちょっとくらい買ってもいいやと思いながらも服に手が伸びない。替わりにと言っては、なんだがアクセサリーなんぞをちょいちょいと買っている。額も大したものではない。ちょいちょいと買っているだけだから。 先日、クーラーが…

MY知覚

情をかけても利用されるばかりで、サービス業の人たちがマニュアルを担ぎ上げ、そこから一歩も出ようとしないのは必然のように思う。客は化け物だ。この前してくれた、筋が通ってないと温情のようなものを温情のない態度で求め続ける。一昔前なら、何言うて…

今日知ったことが元々あったという事実

今日知ったことが元々あったという事実に驚愕するばかりだ。知覚とは不思議なものだ。一度知ってしまうと私の世界は再編成され、同じ景色の上に見たことのない景色が重なる。 知覚は拡がり続ける。いくら歳を重ねても世界を見ることは叶わない。わたしたちは…

友達が書くなと言った

友達に書くなと言われた。おれは迎えに行くのだと告げた。迎えにいくことも大切だが、待つことも大切だと友達は言った。一年前のことである。待ち方もそれぞれある。迎え方もそれぞれある。おれは今、沸騰しない。書けなくなったのではないか思うことが多々…

女将さん、イッセイミヤケ 、イシヤク

第一、おれがぼくという一人称を選んだ段階で警戒した方がいい。小さめのピルをシャネルのマトラッセから取り出す女。 フォールインラブ、主語。旅館の女将さんというのは不思議なもので出迎えと見送りしかしないくせに、何日もお世話して頂いたかのような気…

思い出す

夏帆ちゃんが好きすぎて、ぼくは悉く年頃の女の子の気持ちを打ち破っていった。あれはそう、中三の春の終わりか初夏、ぼくは中学校をサボって奈良公園へ遊びに行った。 学校はつまらなかった。今までにやってきたことの返り討ちとばかりに、イジメ倒されてい…

硬い翻訳。ものように並んでいる。we're unstoppable. わたしたちは止めることが不可能です。ことばの隙間にニュアンスが入っている。ニュアンスを表すことを意訳という。we're unstoppable. わたしたちはタガが外れた新幹線よ!単純に「わたしたちは」を「…

野球部出身者

野球部出身者は何年経っても野球部出身だと分かってしまう。野球部出身者はダサい。野球部出身者はなぜファッションセンスが皆無なのか。これはよく議論を交わされがちなトピックだ。あたかも断言するかのように断言する者が後を絶たない。今日はそのトピッ…

公園

今里新地のそばにある、新地公園は小学生の話題に事欠かなかった。日本の未来を憂い、小太りの中年が腹を切ったことがあった。包丁をちょんと腹に刺し、「やっぱり痛あああいいい」と喚いた。数分後には救急車が来た。同級生はキャッキャと言いながら、その…

iPhone SEの死

一切合切、上手くいった。簡単なことだった。壊れた iPhone SEから中古のiPhone SEにSIMカードを移し替える。icloudにサインインすれば、元の木阿弥。アプリをダウンロードをしてサインイン。なんの遜色もなく、メモは前と同様に残っていた。 耳触りの良いフ…

さくら(独唱)

さくら(独唱)が音楽チャートを賑わせたのは、十八年前なのか。指折り数えるには足りない年を数だけ数えると遠いが、時間は直線ではないので、時折、ありありとその日々について思い馳せる。時間が身体なら老うだけ。記憶は夢のようにどろどろと体験も空想も…

夢を見る

よく眠る。すごくいい夢をみたことは憶えていても、忘れてしまう。夢は映画よりも私的で、ほとんどは紐解けるが、中には紐解けない謎もある。時間が狂っている。距離が狂っている。登場人物がぐるぐると変化する。すべて醒めてから気がつく

微花買う

本屋へ行ってNew微花を買う。イシヤクは由吉とともにあったらしい。たしかに由吉とイシヤクは関心ごとが似ている。微花を読むと、イシヤクだとわかる。イシヤクと話していたことを思い出す。感じること、考えることを文にするのはとても難しい。イシヤクは由…

そんなもんか

ラップが流行っている。ポップスもロックもある。そもそも音楽がある。その最中にあって、詩とはなんなのだろうか。詩も歌である。それは分かった。そんな戯れを聞いてあーそうですか、と納得できるものじゃない。詩はまず紙に書かれる。詩は書かれたもので…

おれたちヒューマンビーイング

折り畳み自転車とノースフェイスのバックパックを背負って高校へ行っていた。当時クソほど馬鹿にされたのを憶えている。なんでそんな服着るのかと訊かれ、鮫みたいでかっこいいからだと答えると、みんながおかしいと思ってんねんから、その格好おかしいねん…

重ね歌

電車。帰りの電車でグッタリしていると、前の座席から歌声が起こった。よく聞くと男が新垣結衣のヘブンリーデイズを歌っている。目を閉じている。唇がてりてりしている。不意に笑ってしまった。男と目が重なった。でも、笑いが止まらない。なぜおれはヘブン…

おもろい人

店長にもらった本を未だ読んでいない。経営とかマーケティングについての本だ。その正しさに帰依するのは危険なような気がして、読めずにいる。本を読むことは怖いことだ。あくまで一つの見解を読むだけであると理解はしているが、読むとはセックスでいうと…

へリングの生

キースへリングへの嫉妬が募る。まず写真を見てもらいたい。 天才ですね、へリングは。私はずっと壁になりたかった。街へ擬態したかったし、擬態としてのファッションをカモフラを超える形で実現したかった。が、このへリングの写真を見て、私の中に猛烈な嫉…

その、ことば

「闘いつづける限り負けないのだ」キキちゃんは、ぼくの言葉を憶えていた。ぼくは忘れていた。エネルギーに満ちていた自分を思い出した。こうも隔たったところに、今がある。忘れていた。でも、キキちゃんはぼくの言葉をずっと忘れずに何かと闘いつづけてい…

ぼくは詩人ではなかった笑

詩人ではないことに気がついて肩の力が抜けた。前々からおかしいなあと思ってたんやけど、おれの詩は詩じゃない。では何かと言うとツェランとかベケットとかドゥルーズとかの言葉を頭に浮かべながら自分の経験情報を整理してたので、いわばただのノートであ…

整然と矛盾する潔さ

タイトルの如く素晴らしかった。カルチャーが渾々と湧いては死にアスファルトの上から立ち上る靄は夢のようにアトラクティブで開放的だった。大阪とは異次元の場所だった。そもそも比較対象ではなかったという感慨が街を歩く度に、ひしひしと感じられた。人…

新幹線に乗る!

人生で初めて新幹線の指定席に乗る。バスかヒッチハイクでしか旅行したことないから、未知の領域である。一年ほど前、イシヤクがこんなことを言っていた。「バスは疲れる。新幹線は出た時と同じ状態で別の場所へいけるのでとてもよい」 バスは疲れる。大阪か…

死に至らない病

昔はね、人間を解放しようと思ってたんですよね、ずいぶんと大義ですけど。今は、それを思わないですね。迷惑という概念がありますけど、この迷惑という言葉に非常に迷惑している人間がおりますわな、その人間のためにも頑張ろうと思ってたんです。でも、今…

令和を知らない者

とても大きな共通の記号が発表されたとき、わたしはアメ村の三角公園前の、いつも、つまらい広告を垂れ流しているヴィジョンの前にいた。黒でバッチリ決めた黒ずくめの集団と、未だ青い子供たちは新元号の発表を待っている。知らない頭がたくさん公園に、知…

鳥の声は泣ける

鳥の声は泣けるそれは 遠いむかしのことを思い出させるだれかが鳥に託した想いを わたしは鳥の声に聞く鶏鳴 朝を告げるわたしなら スズメで事足りるちゅんちゅんと わたしは思う死に死に転がった 夜を越えてわたしはここへ来た四畳半に拡がった シミは深い池…