声をあげる

声を上げる、声

声を散らす、声

叫びと共に生まれた

矛盾の織物に生み落とされ

優しや怒りや悲しみに包まれて

汚れた世界を繋いだ、そして声がまた生まれた

私が泣くのは矛盾に胸が詰まるからだ

私が怒るのは矛盾で胸が痛むからだ

私が笑うのは矛盾を忘れるからだ

この世界の織物の糸になるべく

はみ出るべく、またそれも織物となって

私は我々になりつつ、それを拒み、織物と知りながら一本の糸であることを引き受け

私は我々に染まりながら染まらず、染まっても染まっても脱色せず流れるように織物の横糸となってあらゆる色に彩られ汚れ清くあれ

白になることに躊躇い続けても、またそれで声が生まれたら声を震わせて安心させてやれ。お前は声が聞こえたのだから