ナチュラルボーンボマー

インスタから人がいなくなって8億年は経っているはず。たしかに俺はそう思う。2億年まではまだ人間がいた。今はもうAIしかいない。いや、まだ、一部でテロリストどもが潜伏し、無益な闘いを送っているに違いない。こと、私に関しても日々ボミングを行い、一人反旗を翻しているが、もうそこには人間はおらず、AIたちのオートマティカルポスティングの冷たい世界が横たわっているだけだ。私は数億年前から、このような世界を予測し、客不在の演劇を一人で繰り広げていたのだが今や客は愚か、人間がいないのだから何をやっているのかよく分からない。AIどもの策略では、こういった反乱因子(私のような)は無視するが常であり、放っておけばセルフボミングによって精神に異常をきたすと考えているらしかった。たしかに私はセルフボミングにより幾度となく死線を彷徨ったが、死には至らず、敗北に至らず、あいかわらずボミングを続けている。いずれにせよオートマティカルポスティングワールドにとって私ごときのボミングは蚊ほどでもないのである。私はそれについて全く怒りを感じたことはなく、あくまで自分はこの世界で真っ当にボミングすることを信条としているからナチュラルボーンボマーとしてナチュラルにボミングしていくこと以外はどうでもいい。時折、一抹の哀しさ、共にボミングし合い、切磋琢磨していった仲間がAIと化し、もしくは沈黙の権化と化していく様は見るに堪えず、憤怒と奮起のボミングを行うのだが、ダメだ。彼らにはもうボミングする意味を見出せず、ボミングする体力がないし、もはやボミングを無視に値する行為だと考えているに違いない。時にボミング、先ほども述べた通り、セルフボミングにもなり得るので皆それを恐れて老いたのだった。私は一切の憐れみを見せる素振りを露ほど見せはしないだろうし、顔、この瞳に一点の曇りもなくお前たち、オートマティカルポスティングどもの横面をボミングすることだろう。些か豪快に腕まくりをして爆発したあと尻の穴を舐めて腕枕なんかしたりらじばんだりして池へ突き落とすことも可能だ。

オートマティカルポスティングの大きな特徴は第一に共感が主たるファクターであり、次に当たり障りのなさがくる。なるべく個の矮小さ、汚物さ、をケミカルに汚し(まるで海老の殻で鯛の鱗を擦り付けているようだ!)、なんとなく公共性を帯びさせる。あゝなんと悲劇であることか。私がこのようなボミングを始めた時は夢を見ていたのだった。個人のメディアが出来上がれば大きな神話が形を顰めて、個人の神話が日本神話の国生みの如くボコボコ海へ隆起してくるものだと、そう信じた。私は元来、人間を愛している。人間が人間であることを、その状態を愛している。尻の穴を舐めてやってもいい、本当に私は人間を愛している!もうこの世界には人間はいない、でも私は人間を、もうこの世にはいない人間を思うと尻の穴さえ舐めてもいいと思えるほどに愛している!私は人間を愛するが故に求めすぎていたのだろうか。私はそれでもまだ敗北していない。もしかすると私はまだ夢見ているのかもしれない。アイアバドリーム!私はナチュラルボーンボマー!自爆と空爆と地雷をボミングボミングしながら、私はきっとドリームをボミングしているに違いない!アイハバドリィムッ!私はナチュラルボーンボマー!オートマティカルポスティングandポエミングワールドにボミングを行うポエムボミングの創始者である。何千年〜何万年時を超えよおおう、に億を足す人間、最後のホモサピエンスである。そして、私は蜂に刺されタラコのように膨れ上がった唇で歌うだろう!歓喜の歌を、つまり君を愛してる〜と口ずさむだろう!