外へ出て外へ出たくなかったことに気づき、家へ戻った。坂口恭平とマヒトゥーザピーポーの対談を読んでいた。近所のうどん屋で。コンビニへ寄ってチョコレートを齧ったときも、カレーうどんを食った時も味がしなかった。割り箸の舌触りが気持ち悪く、箸を避けて麺を啜った。

「あなたの心は煙に覆われていて何も見えない」彼女はスピリチュアルに溺れていた。初めて会った時から、私を嫌悪しているようだった。私がSNSで飛ばす言葉の全ては彼女へ届くらしく、執拗に責め立てられた。今は精神病院にいると友人から訊いた。元気でやっているだろうか。

厳密に言えば、味が薄かった。今日は体調が優れないのかもしれないと思いながら、今朝こんなにもよく眠れたのは久しぶりだと考えていたことを思い出した。梅の花が咲いていた。今日の気温は18度。舌が痺れている。排泄でもするかのように浴室でタバコを吸う。タバコの煙が嫌いだ。ヘビースモーカーなのに降って湧いたかのように嫌いになった。本でも読もうか。