Entries from 2020-01-01 to 1 year

虫唾が走るの

野を超え 山越え 海超え 南極あたりで右回り きみの声ー 虫唾が走るの〜 虫唾が走るわ〜 もう聞こえない 声すらない 嗄れてるのか ざわついているの 君の声〜 虫唾が走るわ〜 虫唾が走るの〜 聞こえないふりしても それはだれの声 風に巻かれて 木々に引っか…

テレビをつけると、構図が少し違うことに気がついた。どのチャンネルを回しても普段観ているテレビの構図、音声とは少し異なっている。でも、どこが違うのか、を明確に指摘することができない。些細な差異が徹底してテレビに染みついており、新しい秩序のな…

ポストコロナ

コロナの収束とともに浮気が流行る。カップルや夫婦で暮らしてる人は一生分、抱いたり、抱かれたりしただろうから、若い人たちなんてチョメりあってレスってるに違いない。だからポストコロナのあとは、イージーナンパホテル時代に突入するな。だから、ラブ…

川床

河へ飛び込むかどうか、あそこに通じている道は河だ。汚くもさして綺麗でもない。あの河、それの向こう側でもない、ただ河へ飛び込んで川面に浮かぶ、沈みかけている、徐々に腐りつつある、足を踏めば、バラバラと流される床へ行かなければいけない。そこか…

ドゥルーズ、聖書にしてないか

「ファッションも、哲学もとんちが必要や。今、社会に必要なのはとんちやで」とアウトドアの帽子を被りながら、親友は言った。おもしろい奴だった。次の日に会えば、鼻ピを開けていて、ジャマイカ人と付き合ったと言い出すような奴で、それでいて瞑想しなが…

論理的

論理的。ロジカル。20歳の始めは、とても論理的な人間だと思っていた。18歳の頃は、どうすれば相撲取りに勝てるか考えていた。19歳の頃は、明石家さんまに勝てると思っていた。 論理に混じった私の飛躍に人は引っ繰り返った。この飛躍を短絡とし、十全たるこ…

呪いのMade in USA

「いいな」と思った古着を買おうかどうか悩む。そのような躊躇いを雷のように霧散させる記号がある。『実はMade in USA』送料無料よりもパンチ力がある。消費者は押しを待っている。誕生日とかけてみたりして、服と自分との縁を繋いでみたり、まるで魔術師や…

毒とともに

死ぬべき人だった。無生産的で、労働せず、缶を集めて金に換える。家賃も払わず、ブルーシートなんぞを公園に張って雨を凌ぎ、犬なんかも飼って、自転車を漕いでゴミ箱からゴミ箱へ渡る。 私は殺してもいいと思った。彼らが法律の外側にあるような気がして、…

インスタの投稿用に夜溜めて書いて朝に気分が乗らず、投稿するのを止めた文章を再編集して載せ直した。イキではないけど、説明はいるなと思ったし、何よりこのスタイリングに対して言葉ひとつではダメだと思った。絵面的に。内容が合ってるとかではなく、視…

テンプレヤクザ

個性的、個性的っていう奴は語彙力が乏しいマザファッカーで、多分やけど、黒人ってだけで個性的って言っちゃいそうなくらい浅はかな、例えば、何でも深いとか言ってしまえるような浅はかなゴミ屑で顔すらない粗大ゴミだと思うな。比喩がおもんない奴、例え…

黄金時代

青いんだか、白いんだか、 アスファルトを圧倒する空に 貼り付けられた建物 人はマスク、桜は満開 青いんだか、白いんだか 晴天の空にコカコーラの張り紙 太陽は白い 目が潰れる 蜂はこれから、鳥の声がドアの隙間から漏れる お前は歌えるか、ソロで 同類は…

委ねろ、勝手に お前の声を 重ねろ、勝手に お前らの声に 何百集まろうが一つの声を放つなら お前たちは顔のない蓄音器で美しくない 美醜の問題ではない、ケミカルな問題だ なんの反応も起きない、実験室 プアだ、心が、精神が、イルだ 死人を担いで仰る 正…

一瞬立ち昇り去っていくあの感情、あの光景はなんなのだろう。浸ることもできるず、追いかけることもできず、思い出すこともできない、あの事象をなんと呼ぶのだろう。かつて、それは古里と呼ばれていた。 すがることもできず、ただ過ぎる。眠りから目を覚ま…

一瞬立ち昇り去っていくあの感情、あの光景はなんなのだろう。浸ることもできるず、追いかけることもできず、思い出すこともできない、あの事象をなんと呼ぶのだろう。かつて、それは古里と呼ばれていた。 すがることもできず、ただ過ぎる。眠りから目を覚ま…

漉す人

カラタチの生垣に埋もれた、あなた。1960年代の日本、昭和。平和の象徴、ハト。ヒト科のメンテナンス期。鮮度管理。網でゴミを掬って、何度も濯ぐ。透けるまで。いつまでも浮かぶの、黒い点がと女が喋る。それを永遠に濾すのだ。灰汁と澱をならべて。残滓を…

皮膚

共感する奴は殺してやる 皆殺しだ ヒトの詩を見ていて気持ち悪いのは当たり前だ お前はいま、おれの言葉を見ている 共感する必要がない 私とお前の皮膚が隔てられている理由はそこにある それ以上もそれ以下もなく あり得るとすれば、お前がおれになること …

みどろ

2017-2018.4 女のむせびなく声が聞こえる。理由を訊くと、煙草のけむりのせいだ、とは女は答えた。ごめんね、と言って男は煙草をぐりぐりと灰皿に押しつけた。女は寝屋の角を一点見つめると、ゆっくりと言葉をほとぼらせた。きっと何も忘れていないの。きっ…

視線の辛さ

自己責任という名の元で、ファッションを嗤うという、行為が正当化されすぎていないか。性別や出身地は選べないが、服は選ぶことができる。マイノリティを嗤うことは許されないが、ファッションを嗤うことは許される。私は別にお前らに見せるためにファッシ…

美徳スーパー

美徳はスーパーで売っているのであなたはそれを買って飲めばいい。そうやってるうちに肉体が美徳になって、心も美徳になっているはず。馬鹿な奴はスーパーで美徳を買って飲んで食え。履いても美徳だ、食うても美徳だ、冷蔵庫に入れ忘れ、腐っても美徳だ。全…

涎鳥

ある時に居酒屋で友人と飯を食っていた。未だ若い頃だ。「あの女はヤレるで、エロいから」眉毛が鉤十字みたいな友人はそう言ってブラックバスみたいな口で、焼き鳥を頬張っている。串から一塊ずつ抜いてパクパクというか、ホクホクというか、唇を縦に開いて…

ありがとう、ホドロフスキー

エンドレスポエトリーを見た。ホドロフスキーの伝記的な映画なのだろう。夢のような構造をしている。街の人間には顔がなく、父親も母親も過剰に脚色されている。彼の実際の母親は映画のように愛に満ちた女性ではない。また映画に描かれた母親はホドロフスキ…

待っている

待っている。それは来ないかも知れず、生涯出会い損ね続ける者もいる。ただ何かしらの到来を待つ。そのために鋭く在り続ける。その者に助け舟を出さずに、馬事雑言を被さないように。染められながら、染まってはいけない場所があることを知っている。『ゴド…

スーパーバレンタイン

キキちゃんにバレンタインをもらったが嬉しくなかった。そのことをそのまま伝えた。ソーシャル的な反対給付義務を負わされるのが嫌いだ。プレゼントをもらって嬉しいと思うことはほとんどない。なぜか、それがプレゼントだからである。それにも増してバレン…

仕事が趣味に勝てるわけないだろう

おれは年々歌が上手くなっている。友達はボイトレへ行っているがおれの方が音楽している。そんな俺様にも泣きすぎて歌えないことがある。感情が入りすぎて俺様はカラオケ中に涙をする。そして歌えないのである。特定の歌に心惑わされる訳ではないのだ。いき…

明日は日曜、明後日は三日、月曜日や 当たり前や 当たり前のことや でも、おれが言うまであんたらは 気づきもせんかったやろ そういうことや ほら、指は5本ありまんねん 当たり前や ほんまに5本あんねん びっくりしやんか? 当たり前やけどな 当たり前のこと…

金のためにやるな

金のためにやるな それしかないけど、それしかないからこそ お前は、お前も、お前らだけは 金のためにやるな 売春なんて労働だけで十分だ それしかないのだから、お前はそれを差し出す 必要はなく、労働と交換する必要がない それだけは渡してはいけない だ…

外へ出て外へ出たくなかったことに気づき、家へ戻った。坂口恭平とマヒトゥーザピーポーの対談を読んでいた。近所のうどん屋で。コンビニへ寄ってチョコレートを齧ったときも、カレーうどんを食った時も味がしなかった。割り箸の舌触りが気持ち悪く、箸を避…

責任

経済が掌をひっくり返したあと、残るのはモノだ。人間が死んだあと、残るのはモノだ。リサイクルショップに勤めているから分かる。流行の去ったあとに残る陳腐なレディース衣料は山とある。陳腐な生地、陳腐な縫製、陳腐な染色。本当に山ほどある。その場凌…

ノックの音

若めでルサンチマンな行商みたいな奴がアメジストが生えてるサザエ持ってきてソイツの歯の数を数えめた。「ほら、1本、2本、3本、それから」13本あった。ほら?と言われ、一応頷いたが、本物かどうかなんてわからないし、そもそもモノが何かもわからない。申…

60秒の慰め

たとえば目覚まし時計が ちょっと気を使って 予定より少し早くだったり 少し遅くだったりアラームを鳴らしてくれれば 世界は衣摺れを起こし 少しずつ崩壊するだろう 時計にチーズを流し込んだダリの願いは時計を狂わせることだった 寸分違いなく時を刻む機械…